福岡徳洲会病院 総長 乘富 智明

福岡徳洲会病院 総長

貞島 博通

 当院の医療人口は筑紫医療圏と福岡市の博多区・南区南部を含めて約100万人です。現在日本では人口減を言われていますが、今後20年間この医療圏では減ることはありません。ただ高齢化率が上昇するため当院への需要は更に増えることが予想されます。これに応えるためにも総合診療(内科、外科、救急)を基本に高度急性期医療とがん治療、予防医療、地域連携・災害医療を発展させ基幹病院としての機能をさらに充実させることが必要です。

 当院はまたグループ内九州ブロックの基幹病院であり、今後20年間九州の大小規模病院や診療所、在宅-介護施設などとともに時代の荒波を乗り越え日本医療介護の継続可能な社会を創り上げる必要があります。当院だけを見るのではなく、地域全体の医療介護も当院の責務であるという自覚を是非養ってもらいたいものです。

 高齢社会を迎え、地方の医療事情を考えた場合総合診療を踏まえた各科専門医を早急に育成する必要があります。専門医として技術を磨くことはもちろん大切なことですがその基盤として内科外科救急の総合的知識が大切です。例えば内科系は内科または総合診療科を修めた後に循環器や呼吸器、消化器、脳神経内科などの専門医になることです。高齢者など多重疾患を抱えた患者さんに私はこれが専門といってそれだけの対応では片手落ちとなります。また地方では色んな疾患を抱えた患者さんを診る必要がありこれが専門と言って断る訳にはいきません。当院では総合診療を踏まえた専門医が基本であることを切に希望します。

 当院には14人の初期研修医がフルマッチで入局されます。当院は年間1万台を超える救急搬入件数を誇り症例も事欠きません。この若き先生方が初期研修を修了し、内科外科救急を研修しその後に各科の専門医に育っていき各科専門科の発展と同時に地方の医療の発展にも寄与することを夢見ております。これを実現するために臨床教育環境を育てていく事が私たちの責務でもあります。今後の20年激動する時代を乗り切るためにともに頑張りましょう。