ワクチンの種類について
- 【生ワクチン】
- 生きたウイルスや細菌を症状が出ないよう極力抑えて、免疫が作れるぎりぎりまで毒性を弱めた製剤。自然感染と同じ流れで免疫ができるので1回の接種でも十分な免疫が作れるとされています。ただ、実際に感染したときより免疫力が弱いので5~10年後に追加接種を奨められているものや2~3回の接種が必要なものもあります。(ロタウイルス感染症、結核、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、水痘(みずぼうそう)など)
- 【不活化ワクチン】
- 不活化ワクチンは、ウイルスや細菌の毒性を完全になくして、免疫を作るのに必要な成分だけを残して製剤にしたもの。接種してもその病気にかかることはありませんが、1回の接種では十分な免疫が獲得できないため、決められた回数のワクチン接種が必要です。(B型肝炎、ヒブ感染症、小児の肺炎球菌感染症、百日咳、ポリオ、日本脳炎、インフルエンザなど)
- 【トキソイド】
- 感染症によっては細菌が出す毒素が、免疫を作るのに重要なものもあります。この毒素をなくし、免疫を作る働きだけにしたものがトキソイドです。不活化ワクチンとほとんど同じと考えられます。(ジフテリア、破傷風(はしょうふう)など)
ワクチン接種の費用について *どちらのワクチンもその必要性は変わりません。
- 「定期接種」・・・定められた期間に打つことで無料(公費負担)になる
- 「任意接種」・・・原則としては有料(自己負担)ワクチンによっては公費助成のある ものもある
同時接種について
赤ちゃんが1歳前に接種するワクチンは主に6~7種類もあります。何回か接種が必要なものもあり、全部を接種し終わるとその回数は15回以上にもなります。また、生ワクチンは接種後4週間あけなければ次のワクチン接種が出来ません。そこで有効になるのが同時接種です。>
同時接種とは、2種類以上のワクチンを1回の通院で接種することです。ただし、複数の薬剤を混ぜて打つことはできませんので、同時に接種するワクチンの分だけ針を刺すということになります。子どもがかかると重症化するさまざまな感染症に対して、必要な免疫をできるだけ早くつけてあげることが最大の目的と言えますが、通院回数を減らすことで保護者の負担を軽減することもできます。複数ワクチンンの同時接種にデメリットはありません。当然1種類ずつ接種することも可能ですが、子どもの頃は様々なウイルスや細菌にさらされ、よく熱を出したり体調がすぐれない時期が続くこともしばしばあります。その中でタイミングよく、決められた接種期間内にワクチンを打ってしまうことは、実は大変難しいものです。ぜひ同時接種をご検討ください。