特徴・特色
循環器疾患は心臓並びに全身に張り巡らされた血管をベースとした全身疾患である。近年の食事の欧米化並びに高齢化に伴い、動脈硬化の進行は顕著であり、我々が対応すべき疾患が重症化かつ多岐に渡っているのが現状である。
当科では従来から積極的に取り組んできた急性心筋梗塞や心不全増悪等の急性疾患に対しては当直医1名、オンコール医師2名のほかコメディカルもオンコール体制をとっており、連絡からカテーテル室搬入まで30分以内で対応する体制を確立しているほかに、他院では対応困難な高度石灰化症例や重症三枝病変等へもロータブレータやエキシマレーザーといった特殊装置を積極的に活用し、予後の改善に努めており、いずれも全国有数の症例数(2016年度ロータ;333症例(全国1位)、レーザー95症例)を誇っている。また、近年増加傾向にある発作性心房細動を中心とする不整脈に対するカテーテルアブレーションや下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管形成術も積極的に施行している。
高齢化に伴い、ペースメーカー植え込み症例は増加傾向にあるが、それに比例してペースメーカー感染症例も増加している。従来は開胸術によるリード抜去にて対応せざるを得なかったが、当科では3年前からエキシマレーザーを使用した経静脈的リード抜去術を開始し、現在までに16症例施行して、全例合併症なく終了し、非常に良好な成績を収めている。
リード除去開始時
リード抜去中
リード抜去後
また、高齢化の象徴である重症大動脈弁狭窄症に対応すべくTAVI(経カテーテル的大動脈弁植え込み術)に対しても準備を進め、2018/3/6にTAVI施行認定施設となった。
今後高齢化社会に際し、益々疾患の複合化、重症化が予想されるが、当科及び心臓血管外科で構成するハートチームを中心としてすべての循環器疾患に対する治療が当院で完結することをめざして、日々研鑽し、今後も地域医療に貢献していきたいと考えている。