特徴・特色
複雑な病的状態を筋道立てて把握し、基礎と臨床医学の両面から総合的に考察して病気を正確に診断することは、適切な治療方針を決定する出発点となり病気の予後を決定する重要な要因の一つとなります。このように病気ないし病的状態の本質を研究する学問の一つが病理学です。従って病理学は、医学の本質であるとともに日常の診療業務の基盤となっています。
このことから、病理診断科は日常診療の大切な担い手であることが再認識され、平成20(2008)年に診療科の一つとして標榜されるようになりました。
現在、当院では常勤の病理専門医4名と技師8名のスタッフに加えて、週に3日(午前)久留米大学および福岡大学から血液病・リンパ腫や呼吸器・皮膚・乳腺・胆嚢/膵臓等の病理を専門とする非常勤病理専門医の支援を受けて、組織診断、細胞診断、術中迅速組織診断と病理剖検の業務を遂行しています(本年は常勤病理医1名が半年間ドイツのビュルツブルグ大学 病理学教室に留学中です)。
組織診断は、本院の症例に加えて、「九州・沖縄病理診断研究センター」の業務として、九州・沖縄徳洲会グループの10施設の症例の病理組織診断の支援も行なっています。
令和4(2022)年からFISH (fluorescence in situ hybridization)も導入され、徳洲会内外の施設から中皮腫関連疾患のコンサルトも受け入れています。
病理剖検症例は、全例臨床病理検討会(CPC)を開催して、臨床医と病理医の忌憚の無い活発な議論を行い臨床現場の真摯な検証を進めており、研修医の勉強の場ともなっています。
また、本院は日本病理学会病理専門医制度規定にもとづく研修認定施設として登録されており、「病理専門研修プログラム」にも参加し、湘南鎌倉総合病院や九州大学・福岡大学・久留米大学の病理学教室プログラムの関連施設として、病理専門医の育成にも貢献出来るよう努めています。