特徴・特色
集中治療センターは20床(ICU14床・HCU6床)を有し、約1,500名/年の重症患者を受け入れている。
各科主治医とともに重症患者管理に従事しているが、集中治療医をチームリーダーとして、臨床薬剤師、臨床工学技士、理学療法士、言語聴覚士、管理栄養士を配置し「チームICU」として多職種が治療に携わっていることが当院の特徴である。
看護師は、集中ケア認定看護師1名、呼吸療法認定士6名、心臓リハビリテーション指導士1名を含む計51名が在籍しており、質の高いケアを提供できるようOff the job training(ACLS, JNTECなど)や勉強会を通して日々研鑽し学会発表も多職種で積極的に行っている。
入室患者は年齢を問わず、また内因性・外因性に関わらず、すべてを受け入れているためその疾患は多岐にわたる。
年間約10,000件の救急搬入があるERを有しているため救急からの入室が多い。担当科の内訳は、循環器内科30%、脳神経外科30%、心臓血管外科15%、内科10%、外科10%、その他(小児科・産婦人科・泌尿器科など)5%である。
ICUからの早期リハビリテーションが重要であると考え、科によらず、原則的に入室翌日にはリハビリを開始し積極的に早期離床を促している。
手術・カテーテル治療・薬物治療・栄養療法・リハビリテーション・感染予防・DVT予防・せん妄対策など、すべてが重要な治療である。多職種の力を結集し、「質の高い集中治療」を目指す。



ICU看護師
院内で最も重症度の高い患者様を対象として看護しています。急性かつ重篤な状態にある患者様は心身ともに苦痛や不安を抱えておられます。そのため、苦痛や不安の緩和に努め、できるだけ早くその人らしい生活を取り戻し社会復帰できるよう、診療の補助や日常生活の援助を行っています。また、全身状態をアセスメントし、必要なケアが必要なタイミングで的確に提供されるよう多職種の調整役も担っています。
ICU薬剤師
当院では、薬剤師1名が集中治療室(ICU)に常駐しています。以前の病院薬剤師の業務といえば、調剤および投薬を行うことが主流でしたが、近年はチーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に患者様の薬物療法に参加することが求められています。
特にICUにおいては全身状態が不安定な重症患者様が多く、薬の効き方、現れる副作用も様々です。そのため、個々の患者様に合わせた薬剤選択や投与量設定が必要となってきます。私たちは、常に患者様の病態を把握し、より最適な薬物治療が遂行できるよう多職種と協働して治療に携わっています。
ICU理学療法士
リハビリテーション科では、集中治療室に専従理学療法士(PT)1名が常駐しています。手術後や重症の場合は安静にしていたほうがよいとうイメージがありますが、長期の安静臥床は、患者様の身体機能の低下を招く場合や術後合併症などを引き起こすリスクとなってしまいます。身体機能低下や合併症の発症は、入院期間の長期化につながります。
リハビリテーション科の主な取り組みとして手術後の患者様や重症の患者様に早期から積極的にリハビリ介入することで早期離床を行い、機能改善、合併症予防を行っています。また、理学療法士が常駐することで多職種と連携を取りながらリハビリを集中的にかつ頻回に行うことが可能となっています。
ICU臨床工学技士
集中治療室(ICU)は生命維持管理装置をはじめとする様々な医療機器(人工呼吸器・CHDF・IABP・PCPS・ペースメーカー・低体温装置・生体情報モニター・除細動器など)を使用します。臨床工学技士は、チームICUの一員として医療機器の適切な使用、環境整備、合併症予防、早期離脱の目標を掲げ努めています。
ICU管理栄養士
ICU入室患者の病態は急性かつ重篤であり、短い在室期間に原疾患の治療が第一に考えられることがしばしあります。そのため、栄養開始が後回しにされることも少なくありません。当院ICUでは、多職種が治療に携わっており管理栄養士もその一員として活動しております。
全入室患者さんの栄養管理計画書を作成し、必要栄養量を算出。栄養介入の必要な患者さんへの栄養状態是正、改善に向けてチームで取り組んでおります。また、食事摂取が進まない方へは食事の好みなども考慮し適宜食事形態を変更するなども行っております。